投稿日 2015年06月03日 18:39
切断面高品質がウリですが・・・
こんにちは。GOGOマッキーです。
今日はこちらが仕上がってきました。
材質は、SUS304 板厚t=5.0です。
加工はレーザーカットのみとなってます。
プレス・板金ファクトリーのwebページでは、
「圧倒的支持を集めるレーザー加工をお試しください!」
などと強く推しております。
実際、レーザーマシンはタレパンに比べ板金加工業者への普及率はまだまだ低く、
うちの会社の強力な武器です。
また、謳い文句の中には、
「切断加工面を美しく仕上げたい!」
「製品特性上、継ぎ目やバリはNG・・・」
といったことをアピールさせて頂いています。
・・・が、し・か・し!
実はレーザーカットでも切断面の品質の限界や、懸念されるべき特性は存在するのです。
こちらをご覧ください。
一枚目の写真の穴部分をアップしたものです。
茶色に見える箇所はレーザーの始終点です。その部分からレーザーカットが始まり、円を一周してその部分でカットし終えるのです。
写真では分かりづらいのですが、コゲとともに0.1㎜~0.2㎜の突起物が残ります。
レーザーマシンの特性上、始まりの点と終わりの点の位置に若干の誤差が生じるためです。
レーザー加工後にグラインダーやヤスリなどで除去すれば良いのですが、穴自体が小さい場合、それらの工具が入らず、除去することができません。
続いて、縦に筋状のラインが無数にあるのがご確認頂けるでしょうか?
これはレーザー光には周波があるため、その周波がカット面に影響して発生するのです。
ごく僅かなのですが、こちらも凹凸が存在しており、触れると分かる程度です。
尚、上記の2点の特性はt=3.0以上の板厚になると、より顕著になるものです。
無論、タレパン加工の継ぎ目や追い抜き痕よりは、高い品質は保証致します。
でも、ワイヤーなどでカットしたほどのキレイな切断面ではないのです。
ワイヤーカットよりもかなり安価となるレーザーカット。
しかし、要求品質によっては、レーザーカットでは困難な場合もあるのです。
どうしてもレーザーカットで安価に仕上げたいのであれば、特性を予め考慮し設計をする必要があります。
うちの会社にはマイナスとなるお話ですが、みなさまには知っていて頂いた方がいいかと思い書きました。
板金部品の設計や購入するにあたり参考にしていただければ幸いです。